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原田 寛之; 林 直樹
JPS Conference Proceedings (Internet), 33, p.011027_1 - 011027_6, 2021/03
ベータトロン振動数(チューン)は、リング加速器において最も重要なパラメータのうちの一つである。なぜなら、チューンがある条件を満たす場合ベータトロン共鳴により振幅が増大し直接ビーム損失に繋がるからである。特に大強度陽子加速器では、空間電荷力によるチューン拡がりやビーム不安定性による大きなビーム損失と成り得るため、高精度での調整が求められる。一般的な測定手法では、チューンはリングを周回するビーム重心の振動を検出し、そのデータを周波数解析することで導出している。しかしながら、高繰り返しのシンクロトロンでは速い加速と共に周回周波数も急激に変化するため、測定精度が向上しなかった。本研究では、測定したチューンを移動平均化することで高精度にチューンを求める新たな解析手法を考案し、J-PARC加速器で実証した。従来手法におけるチューン精度は6.40に対して0.013の測定精度であったが、新手法では0.001以下の測定精度となった。これにより高精度なチューン制御が可能となり、大強度出力の礎となった。本発表では新手法の紹介とJ-PARCにおける実測結果を報告する。